老若男女問わず根強い人気がある作品も多いライトノベル。

 

ラノベといっても多種多様な作品がありますが、最近のラノベはタイトルが長くないですか?

 

個人的には10年ほど前から、文章のようなタイトルの作品が多くなった印象があります。

 

そこで今回は『ラノベのタイトルが長い理由・文章のようなタイトルの元祖・タイトルの付け方・タイトルが変更された作品』などについて深堀していきます。

 

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目次

タイトルが長いラノベの元祖はいつからなのか

文章系タイトルの元祖の作品は個人によって意見が異なります。

 

「どの文字数から長いと言えるのか」明確に決まっていませんからね…。

 

そのためあくまでも私個人の意見として見てください。

 

 私は2008年8月に発売された『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が、文章系タイトルの元祖だと考えています。 

 

文章系タイトルと『俺妹』の関係については業界関係者も触れています。

 

講談社ラノベ文庫編集長の猪熊泰則氏によれば、ライトノベルも昔は「とらドラ!」(KADOKAWAアスキー・メディアワークス、06年)など、「読んだときの音の響きが良い4文字のタイトルがはやっていたが、08年に電撃文庫から出た『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のヒットで状況が変わった」。同書の累計発行部数は全12巻で500万部。このヒットを受け、他の出版社もこぞって説明口調にしたタイトルのライトノベルを出すようになったという。

出典:NIKKEISTYLE

 

もちろん長いタイトルは『俺妹』発売以前にも、今ほどではないですが存在しています。

 

 しかし私の主観でも『俺妹』のヒット以降少しずつ文章系の作品が増えた印象です。 

 

そのため『俺妹』のヒットが文章系タイトルが増える要因の1つになった可能性は十分に考えられます。

 

ラノベのタイトルの付け方と文字数の推移について

 

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猪熊編集長によるとラノベのタイトルの付け方は

  1. 語感
  2. 文字のバランス
  3. 読んだときの響き(音)

に特に気を配っているといいます。

 

またタイトルに流行語を入れるのは陳腐な表現になって逆効果とのことです。

 

一口に”長いタイトル”といっても作品によって特徴はバラバラです。

 

たとえば

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 
 

 

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
 

 

のように説明系のタイトルもあります。

 

一方で

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 
 

 
『元勇者のおっさん、転生して宿屋を手伝う ~勇者に選ばれ親孝行できなかった俺は、アイテムとステータスを引き継ぎ、過去へ戻って実家の宿屋を繁盛させる』
 

 

のようにタイトルに句読点や記号を用いた文章系のタイトルも存在しています。

 

以前、Twitterユーザーのジャンルコード探検隊(@GenreCodeLoversさんが、「ラノベタイトルの文字数推移」について調査したことがありました。

 

下記データから年数が経過するにつれて、30文字を超えるタイトル(サブタイトルや巻数含む)が多くなっていることが分かります。

 

ジャンルコード探検隊さんの調査データ

※縦軸が発売年で横軸が文字数

 

このことから過去数年間で、より長いタイトルの作品が増えてきていると判断しても良さそうです。

 

そういえば昔はライトノベルに限らず4文字タイトルが流行っていたことがありますね。

 

今思いついただけでも

  1. らき☆すた
  2. けいおん!
  3. とらドラ!
  4. よつばと!
  5. みなみけ

が挙げられました。

 

上記の作品発売年からみて、4文字タイトルが流行っていたのは15年ぐらい前のことでしょうか。

 

4文字タイトル以外でも昔は

  • 涼宮ハルヒの憂鬱
  • 灼眼のシャナ
  • ブギーポップは笑わない
  • キノの旅
  • 撲殺天使ドクロちゃん
  • 狼と香辛料

といった語感の良いタイトルの作品がかなり印象に残っています。

 

これについては作品の知名度も関係していそうですが(笑)

 

このように時代によってタイトルの特徴は異なります。

 

 近い未来ではまったく違った特徴のタイトルが流行っていても不思議ではないですね! 

 

 ちなみに私は最初、文章系の長いタイトルは受け付けなかったのですが、今ではふつうにそれらの作品を読んでいます(笑) 

 

ラノベのタイトルが長い理由はなぜなのか

ラノベのタイトルが長い具体的な理由は「他社との差別化」が1つの原因だと思われます。

 

NIKKEISTYLEでは次のように記載がありました。

 

出版各社は「他社との差別化をはかるためにタイトルの表現をいっそう工夫しなければならなくなった」(久米教授)。その一つの結果として、タイトルがどんどん長くなっていったというのだ。

出典:NIKKEISTYLE

 

現在の出版業界は非常に競争が激しく、データベースで2018年だけを見ても年間で2000冊を優に超えています。

 

2018年の刊行数データ

 

つまり1ヶ月に発売される作品数は少なくとも200冊を超えているということです。

 

これだけの作品が世に出回るのですから、当然「作品の看板」ともいえるタイトルには神経を使いそうです。

 

あまり印象に残らないタイトルだと売上に響くので。

 

それが上記の引用文にもある「タイトルの表現の工夫」でどんどん長くなったのでしょう。

 

 これは私の意見ですが、文章系のタイトルが増えた理由としては「話題性」もあると考えています。 

 

長いタイトルは賛否両論ありますが少なくともかなり目立ちます。

 

2014年に発売された時雨沢恵一先生の

『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 II ―Time to Play― <上>』
 

 

という作品のタイトルは76文字です。
 
しかし現在は長いタイトルの作品が多いので、多少長いぐらいでは話題にはならないかもしれませんね…。

 

 さすがに時雨沢先生の場合は長すぎだと思いますが(笑) 

 

秀逸なタイトルに変更してヒットしたラノベ紹介

 

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前項目でも述べたようにラノベに限らず出版物はタイトルが大切です。

 

現在は誰もが知っているほど知名度のある作品も、発売前ではまったく違ったタイトルが付けられていた例があります。

 

私が知っている作品だと

  • 涼宮ハルヒシリーズ
  • 這いよれ!ニャル子さん

はもともと別のタイトルが考案されていました。

 

それでは次の項目からタイトルについて詳しく見ていきましょう。

 

這いよれ!ニャル子さんの改変前タイトルについて


 
『這いよれ! ニャル子さん』の改変前のタイトルは夢見るままに待ちいたり”でした。

 

 個人的には改変前のタイトルも両方好きですね(笑) 

 

ですが聞き慣れているからか、現在のタイトルのほうがしっくり感がある気がします。

 

改変前のタイトルはどちらかといえばラノベではなく、一般文庫のタイトルのような印象を受けました。

 

涼宮ハルヒシリーズの没タイトルについて


 
10数年前にアニメが爆発的にヒットして社会現象になった『涼宮ハルヒシリーズ』も、複数の没タイトルが存在しています。

 

原作者の谷川流先生によると没タイトルの数は45パターンあったとか…。

 

すでにネット上に出回っている没タイトルとして『グルグルグルーミー』が挙げられます。

 

 これは私の勝手な感想ですが、もしタイトルが『グルグルグルーミー』なら、当時ほどの社会現象にはならなかったかもしれませんね…。 

 

 社会現象の理由は”ハレ晴レユカイ”や”God knows…”の影響が大きいですが、作品名の語呂の良さも少なからず関係していると私は思っているので。 

 

やっぱり『涼宮ハルヒの憂鬱』の完成度の高さは超えられません!

 

没タイトルの情報は『涼宮ハルヒの驚愕』の初回限定版の付録小冊子内で判明したので、あまり具体的にはいえないのが残念です…。

 

まとめ

・ラノベのタイトルが長くなった理由は、2008年発売の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が影響していると私は考えた。

 

・有志の調査データによると、過去数年間でより文字数の長いタイトルが発売されている。

 

・『這いよれ! ニャル子さん』は夢見るままに待ちいたり、『涼宮ハルヒの憂鬱』はグルグルグルーミーと、発売前と後のタイトルが異なる人気作品も存在している。

 

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます!

 

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