魔女の宅急便の飛行船の名前は自由の冒険号！事故のモデルはロサンゼルス倒立事故とアクロン急浮上事故

魔女の宅急便のラストシーンでは大きな飛行船がキキの住む町にやってきますね。

その飛行船はかなり大きな事故を起こし直立したまま空に飛び立ってしまいました。

あの飛行船の事故は実際にあった事故をモデルにしたことはご存知でしょうか？

この記事では『魔女の宅急便に登場する飛行船の名前・モデルとなった事故』について深堀していきますね。

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魔女の宅急便の飛行船の名前は自由の冒険号

いつか「魔女の宅急便」が放送される未来の為にこのTweetを遺す。

飛行船「自由の冒険号」が突風に吹かれて倒立状態になった挙句急浮上しましたが、これは史実の飛行船事故をモチーフとしています。
ZR-3ロサンゼルスの倒立事故とUSSアクロンの急浮上事故です pic.twitter.com/n1oWbl5hGC

— HAL@火曜西地区た 07b (@HAL9152) May 22, 2019

魔女の宅急便の終盤で町にやってきた飛行船の名前は「自由の冒険号」といいます。

名前だけを見ると、『自由を求めて空を飛ぶ（自由に羽ばたく）』ようなイメージがあって、とても壮大な印象を受けます。

ですがその立派な名前とは裏腹に、突風の影響で大規模な事故を起こしてしまいました。

トンボはロープにしがみついたままだし、民家や時計塔は破壊するしで大惨事です。

離陸に成功しそうだったし、あの突風がなければとても素晴らしい快挙だったと思うのに、やはりアニメでも自然の力には勝てませんよね…。

飛行船のモデルとなった事故は2つある

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作中で町を破壊する第事故を起こした「自由の冒険号」。この飛行船は突風にあおられたことにより非常に不可解な挙動を見せます。

なんと直立したり急上昇したり通常ではありえない動きを見せるのです。

実は作中における飛行船の事故は実際に起きた2つの事故をモデルにしていました。

それでは次の項目でどの事故をモデルにしたのかを解説します。

ZR-3ロサンゼルス倒立事故

これに限らず魔女宅の飛行船の挙動は有名な飛行船事故をミックスさせたものなんで、実は結構な大事故&大事故のオンパレードですコレ。

で、ここからが本題で「自由の冒険号」が倒立した上に制御不能になった理由です。
実は飛行船がこうなるにはかなり複雑な原因と偶然が必要です pic.twitter.com/NmXd7JLpwa

— HAL@火曜西地区た 07b (@HAL9152) May 22, 2019

「ZR-3ロサンゼルス倒立事故」は1927年8月25日のアメリカ合衆国で起こりました。ちなみに、ロサンゼルスはアメリカ海軍が開発した硬式飛行船です。

実際に事故が起きた1927年8月25日、ロサンゼルスはアメリカ合衆国ニュージャージー州にある、レイクハーストという町にいました。

勝手に上昇しないようにレイクハーストの係留塔に繋がれていたのですが、いきなり突風が吹いてしまいます。

その突風がロサンゼルスの後部をとらえたことで、飛行船は通常より空気の濃度が高い層まで持ち上がったのです。

これが原因でロサンゼルスは後部を上にしたまま上昇を続けました。

乗組員はどうにかして飛行船をもとに戻そうと努力しましたが、なんと船体が85度も傾くまで上昇し続けたと記録されています。

では繋留中の飛行船が魔女宅の様に急浮上するには何が必要かと言うと「船内の急激な温度上昇です」

ZR-3ロサンゼルスやUSSアクロンのこうした急激な挙動は「Super Heat」と呼ばれる船内の温度上昇と幾らかの風が原因とされています。 pic.twitter.com/StCeTIRuzG

— HAL@火曜西地区た 07b (@HAL9152) May 22, 2019

ちなみにロサンゼルスはほとんど損傷はなかったため翌日には通常どおり飛ぶことができました。

その後ロサンゼルスは経済的理由が原因となって、1932年に飛行船としての役目を終えたのです。

ZRS-4アクロン急浮上事故

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「ZRS-4アクロン」は先程のロサンゼルスと同じくアメリカ海軍が開発した硬式飛行船です。

アクロンが事故を起こしたのは1933年4月4日でした。この日はニューイングランド沖合を飛んでいたのですが、急な突風によって墜落します。

この事故によって乗組員76人中73人が亡くなりました。アクロン急上昇事故は飛行船の歴史において、最も被害が大きい事故となったのです。

また飛行船アクロンは1933年4月4日の事故が原因で喪失することになりました。

自由の冒険号の事故は「SuperHeat」と呼ばれる現象が原因

では繋留中の飛行船が魔女宅の様に急浮上するには何が必要かと言うと「船内の急激な温度上昇です」

ZR-3ロサンゼルスやUSSアクロンのこうした急激な挙動は「Super Heat」と呼ばれる船内の温度上昇と幾らかの風が原因とされています。 pic.twitter.com/StCeTIRuzG

— HAL@火曜西地区た 07b (@HAL9152) May 22, 2019

ロサンゼルスの倒立事故、アクロンの急上昇事故が起こったのは「SuperHeat」という自然現象が原因の可能性が高いです。

もちろん作中の「自由の冒険号」の事故とも関係しています。

SuperHeat現象は飛行船内の温度の上昇と風が原因で起こる現象です。

通常の飛行船は周囲の大気と浮遊ガスの体積の違いで浮遊することができます。しかし、気体は温度が高くなると軽くなるという現象が起こるのです。

つまり飛行船は暖かい場所に放置されると気体が軽くなり浮力が増します。

実際に魔女の宅急便の「自由の冒険号」は数日間も日当たりの良い場所で繋留されていました。

この現象から考えると「自由の冒険号」の事故は突風だけが原因なのではなく、中の浮遊ガスが軽くなって浮力が増したことも影響していると考えられます。

またSuperHeatは飛行船内の浮遊ガスと大気の温度差が大きいと起こる現象です。

つまり海から吹いた突風の温度が飛行船周囲の大気よりも低い場合、飛行船内の浮遊ガスと大気の温度差が大きくなります。

その温度差により浮遊ガスの浮力が増して急上昇してしまう可能性があるのです。

このことから、作中における自由の冒険号の大事故は「SuperHeat」という自然現象が原因だと考えられます。